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2016.05.10

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情報結合力

現代社会は情報にあふれています。そのため、情報に敏感で、常に能動的に情報を取りにゆくライフスタイルの人が多くなっていると思います。知りたいことや興味があることがあれば、ネットで検索して簡単に情報を得ることができます。好きな音楽や映画は、いつでも携帯電話やパソコンを使って見たり聞いたりできます。見たかったドラマやスポーツシーンを見逃しても、後でネット検索して見ることもできます。このように、情報ツールの進化によりいつでも自分から情報を取りに行ける環境になり、仕事においても生活においても便利な世の中になりました。
このような環境は、今自分が好きな情報はより多く、より深くいくらでも入手でき、私達の仕事や生活をより豊かにする可能性があります。一方、今自分が興味の無いと思っている情報は入らないし、遮断している環境を自ら作っているとも言えます。これは、将来の私達の仕事や生活を豊かにする妨げになる可能性ががあります。

 

私は、30年間同じ会社で働いてきました。設立間もない会社でしたが、時代の流れに乗り、会社が急成長する中、会社の成長と共に自分も成長し、現場からマネジメントまで一通りの仕事を経験することができました。このような環境で社会人としてスタートしてから大きな不安もなく、仕事に慣れれば自信を持って働ける幸せな環境でした。そして人を指導したり教育する仕事が長かったこともあり、社内を勿論のこと、働いている業界に関しても情報通として自負しており、「下山さんは何でも知っていますね!」と言われ妙な自信を持っていました。
このような経験をした後。長くお世話になった会社を離れ、50才でコンサルティング会社を起業し経営者の立場になりました。同時に大学院に学生として通いつつ、別の大学院で講師を務めるという、それまでとは180度異なる人生が始まりました。そこで社会人として始めて、不安を覚え自信を無くしたことがあります。それは、これまでの経験や知識が想像以上に、世の中では活用できず、自分が持っている情報は狭く、質も量共に仕事では簡単に使えないということでした。
特に大学院では、明らかに自分より優秀な人が沢山いて、今まで自分が、いた世界ではその業界と自社の仕事だけを突き詰めてゆけば何とかなっていた時とは大違いでした。これ以前の環境では、あえて多様な情報を探るより、集中して必要と思われる情報だけを選択して、探求すれば、それなりに仕事のレベルも上がり成長できました。情報は集中と選択するものであり、別の表現をすれば、情報は食わず嫌いでも許されたわけです。そして、情報化を進み、いつでもどこでも情報機器を活用して、好きな情報だけを探し、入手するできるようにもなりました。ところが、これが偏った情報しか入らないようになった原因です。
現代社会で情報は、意識しなければコントールされていて、過去の自分の行動パターンに合わせた情報が入ってくる環境になっています。

 

例えば、何か調べたいことがあると、多くの人は携帯電話やパソコンを使い、ネットで検索する人が多いと思います。その特、自分と他の人では同じキーワードを入力しても検索結果が異なることがあります。これは、過去の検索結果をコンピュータが覚えていて、自動的に好むと思われる情報を絞り込んでくれる機能があるからです。つまり、コンピュータが自動的に検索している人物の過去の検索結果や、同じような検索を行う人のパターンを認識して、検索している人に最も相応しいと判断した情報だけを提供しているからです。また、多くの人は、本屋やCDショップに入れば、目的のコーナーへ足を向けるか、人間の心理をついた広告や演出により、興味を刺激され思わず購入したくなる場所へ行ってしまうことあると思います。現代社会はマーケティングや営業機能が進化して、売り手や発信者の意図によって情報が流れる社会的な仕組みができています。言い方を変えれば、経験の延長線上の情報以外は、あまり触れること無い生活を送っていることになり、情報に管理されていると言えます。このような環境では、同じパターンで必要と思われる情報を検索、整理しても効果的な活用というレベルにはなりません。
世の中にあふれる膨大な情報からどうやって探しだすのか検索能力は問われます。そして、検索できても、そこから選択することが必要です。さらに情報を選択しても、何かに活かせなければ、ただ情報量が増えるだけです。
仕事や生活に活かすには、絞り込んだ情報と情報を結びつけて、自分ならではの情報に加工出来るかが重要です。一見関係の無い情報でも、組み合わせることにより、自分ならではの発想やアイディアが生まれる可能性があります。
これからの時代、仕事では常に変革が求められ、生活においても、環境変化に適応する能力が求められます。そのためには、一見異なる社会で起こった出来事でも、自分の生活や仕事に結びつけて活用する力があれば、自分ならではの見方が生まれ、これからの時代において個性を持った生き方ができます。
この力を「情報結合力」と呼びます。「情報結合力」とは、仕事や生活をより活性化させるため、一見関連の無い情報と情報を結びつけ、役に立つ新たな価値を生み出す力です。

 

昔は、情報を持っている人から聞いたいり、情報がある場所へ行く時代でした。今は、これに加え、情報が自動的に入ってくる環境を作ることができます。
情報が探せる環境になれば、次は「情報選択力」が必要です。この時、多くの人は、過去の経験や習慣から、自分には不要と思われる情報を判断して、捨てるか見ない癖が出ると思います。
私は、家に帰るとすぐTVのスイッチを入れ、いつでもTVから情報が流れている生活が当たりまえになっています。TVからは、コマーシャルが流れ、ニュースや番組の中でコメンテーターが話す情報が常に流れています。朝の支度をしている時は、ラジオが流れコメンテーターの話やニュースが流れています。
この習慣があると、自分では気づかない情報が好むと好まざるを問わず、様々な情報が入ってきます。この時、仕事や生活に結び付けられる情報に気づくことがあります。簡単に言えば雑学に猛るということです。また、自分とは違う会社や、業界の人と話しをすると、自分の仕事や生活の中では聞かれなかった興味深い話題が聞けたという経験がよくあります。自分では、情報のフィルターをかけず情報に触れる機会を持ったり、意識をしたりするだけで、意外に重要なヒントがあるものです。だかこそ、自分から選ばない情報が入る環境をあえて作ることが必要です。そして、得られた情報を自分の生活や仕事に結びつける「情報結合力」が重要になります。

 

全く関係ないと思うのは、自分が情報に対して持っている固定観念です。この固定観念を無くすためには“たった一つの良い方法”があります。
自分の考えと異なる新たな情報にであったら“不思議に思う”ことです。

 

・ WHY 何故、自分の考えとは異なるのだろうか?
・ Where どこかに自分の考えと共通点はないのだろうか?
・ What こんなことが起こる背景は何だろうか?
・ How これは、何かに使えないだろうか?
・ If もし、自分だったらどうだろうか?

 

不思議に思うということは、ただ否定的に考えることではありません。興味を持った否定です。違いに興味を持てば、必ず自分なりの解が見つかるものです。そこから自分の仕事や、生活に結びつける思考が、新しいものを生み出します。アップルの創業者スティーブ・ジョブスは、マッキントッシュの最初のコンピュータを開発した時「音楽家、詩人、芸術家、動物学者や歴史家とコンピュータサイエンティスト」という全く異なる経験の持ち主が関わったことが成功につながったと言っています 。同じものの見方だけでなく、一見何の共通点もなくムダな組み合わせと考えず、異なると思われる組み合わせから、新たな発想が生まれます。もし、ジョブスが始めてのコンピュータを開発する時、コンピュータの専門家だけで、Macのパソコンを作っていたとしたら、世界中にいるMac信者はいなかったかもしれません。
これからの組織には未来を創造できる人財が必要です。自分の経験や知識を活かす専門家でも、知識を沢山持っている知識人でも通用しない世界が来ます。沢山ある情報の中から、一見何のつながりを持たない情報をつなぎ合わせることにより、仕事や人生に価値を生み出す情報結合力を磨くことを薦めます。

 

最後に情報結合力の練習のため次の質問をご紹介します。
1. アイドルのAKBとリーダーシップの関連について説明して下さい。
2. オーケストラとジャズの違いと企業の組織力の関係を説明して下さい。
3. 映画アナと雪の女王の大ヒットと女性活躍推進の関係を説目して下さい。

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