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2017.05.22

ATD人材開発国際会議2017参加速報1日目「パーソナライズ化するラーニング」「学習管理者の関与」など

今年もATD2017 International Conference & EXPOSITION(ATD-ICE)がここ米国のアトランタで 5月21日から5月24日まで開催されます。
このATD-ICEとは、組織開発、人材開発に関わる人と組織の成長を支援する国際組織ATDが毎年米国で開催する、世界最大規模の人材開発国際会議と展示会のことです。
日本の支部もあり、現在18名の理事が、ボランティアとして活躍しています。私は日本支部の副代表として参加しております。
毎年恒例となりましたが、本日よりカンファレンスの状況を現地から報告したいと思います。
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【1日目】
毎年参加して、今年で20回目くらいになりますが、今まで以上に初日から参加者が多く感じます。
正式な参加人数は後日発表されますが、米国ならでは巨大なコンベンションセンターで、例年1万人前後の参加者で、今年は今まで以上に参加者が増えているように思えます。
カンファレンスの数は、基調講演が3件、セッションが397件もあり、展示ブースも400以上が並びます。早速本日から、セッションが始まり、いくつか参加した感想をキーワードで報告したいと思います。

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1.パーソナライズ化するラーニング今までは、多くの組織で人事や教育に関わる仕事は、いかにして従業員全体に役立つ環境整備や、育成の仕組みを構築するかが課題でした。
しかし、今回のATDのセミナーで気づいたことは、学習がますます個人化していることです。
「未来の職場体験:ジーン・マイスター」のセッションの中で、今まで学習の仕組みが変化してきた経緯をまとめた話しがありました。その中でこれからの学習は、パーソナライズ・ラーニングと称して、より個人的な学習の仕組みになるという提言をしています。
また、「労働分析論を用いた組織の改革:フレデリカ・ジョイナー」では、人材に関するデータを分析して、如何に活用するかのセッションですが、個人の行動分析を組織的に行なった上で、個別の能力開発の重要性を強調していました。
他にも、学習者個々の特性に応じたセッションが多くあります。これからは、個別化が人事・教育のチャレンジだと考えます。

<人材開発の潮流> 1960〜1990年のキーワード コーポレートユニバーシティ
 1990〜2000年のキーワード eラーニング
 2001〜2012年のキーワード ソーシャルラーニング
 2013〜2017年のキーワード オンデマンドラーニング
 Tomorrow          パーソナライズラーニング
 ◆Mulcahy, Kevin;Author & Partner Future Workplace

2.既存データの解析からデータに無い予測近年、“ビッグデータ”や“AI”というキーワードは、あらゆるところで取り上げられるキーワードです。人材開発の大会であるATDでもここ数年、幾度となく取り上げられています。しかし、昨年までのATDでは、まだこの事例はほとんどありませんでした。今年は、どのような進化があるのか、明日からのセッションが楽しみです。
本日あったセッションで、「労働分析論を用いた組織の改革:フレデリカ・ジョイナー」では、EQを始め、個人のコンピテンシーを調査したデータを解析して、組織の特性や企業文化を統計的に分析して活かす取り組みが紹介されました。この統計手法や、考え方は人材の可能性を探るための指標の一つとして納得できる手法と考えます。
しかし、今後のチャレンジとしては、このような過去の手法の解析と共に、ビックデータと人事データをリンクして、将来予測の精度を上げる方向になることが、近未来の可能性ではないでしょうか。

3.学習管理者の関与学習設計(インストラクショナルデザイン:ID)をアジャイルでデザイン(設計)するというキーワードが、あちらこちらのセッションで出てきます。
IDでは、昔からADDIEモデルを基本として、使われて来ました。A(分析)D(設計)D(開発)I(導入)E(評価)のステップで繰り返しながら、その都度フィードバックをしながら開発する伝統的手法です。
これに対応してSAMというモデルが出ました。SAMはより速い期間で、繰り返し作成したものを実際に使ってみてフィードバックする方法です。このように、如何にして速い段階で、現場で活用してみるかが問われています。
その際には、アジャイルというキーワードが使われます。IDにおけるアジャイルとはそれぞれが責任を持って、一緒に開発してゆくことを言いますが、この時点で学習提供者が開発したいコンテンツから、学習者の意見やアジャイルで開発するように専門家の意見でシナジー効果がでるような期待があります。
この時点で、人材開発が学習設計を主導するのではではなく、人材開発がどのように学習者に関与するべきかが問われる時代になっているのだと思います。