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2016.05.26

ATD人材開発国際会議2016参加速報「リーダーは弱さを見せると信頼関係が築ける」

人材開発国際会議では、毎年キーノートスピーカーの話があります。今年は、ベストセラー作家のサイモン・シネック(Simon Sinek)、ヒューストン大学大学院教授。ブレネー・ブラウン(Brene Brown) 、TrendHunter.comの創始者ジェレミー・グーチェ(Jeremy Gutsche)です。最近は、人気のスピーチが聞ける、TED-Talkや動画配信サイトのYoutubeがあるため、今回のスピーカーはどのような話をするのか確認することができます。執筆本や、これらのサイトで話していることと、実際に生のスピーチでの違いを体験することもATDの醍醐味だと思います。

 

今回は、ブレネー・ブラウン(Brene Brown)のスピーチについて所感を述べたいと思います。彼女は、バルネラビリティ(Vulnerability)、勇気(Courage)、価値(Worthiness)、恥(Shame)についての研究で知られ、ベストセラー3冊(『Rising Strong』、『Daring Greatly(邦題:本当の勇気は「弱さ」を認めること)』、『The Gifts of Imperfection(邦題:「ネガティブな感情」の魔法: 「悩み」や「不安」を希望に変える10の方法)』)を執筆しています。

 

ATD20

 

リーダーは、多くの場合、周囲に弱みを見せてはいけない、有能で無ければいけないというマインドを持つことは普通の思考であり、特に部下に対しては、優位な立場を維持するため、弱さを見せてはいけないというマインドになります。ブラウン氏は、弱さを見せることは恥ではない、勇気を持って弱みをみせれば、信頼も向上すると主張しています。

 

スピーチの後、各国の参加者や、日本からの参加者に、講演の感想を聞きましたが、興味深い反応でした。現地の参加者は、概ね好評でしたが、日本からの参加者は、辛口コメントが多かったように感じます。勿論、数千人の参加者が聞いているスピーチですので、全ての反応ではありません。後で行なった、参加者同士の情報交換でいくつか理由が見えました。
ブラウン氏は、スピーチの中で自らの経験談や、一般的に米国在住の人に判り易いエピソードで語っていました。しかし、日本人を始めとするインターナショナルからの参加者には少しわかりにくかったようです。このスピーチには、いくつかの重要な考え方がありますが、中核となる「勇気」と「弱さ」について、もし日本人にわかりやすい表現を使うとすれば次のようになると思います。

 

「リーダーでも迷うことや、誰かに助けを求める時はあるでしょう。そんな時、本当に信頼していれば、意見を求めたり、自分の弱い部分で素直に出す時があると思います。そのように、自分が相手を信じて、相手に自分の弱い部分を話せば、相手も話してくれたことに感謝して、あなたをさらに信頼できる人と思います。そして、お互いの信頼関係が向上します。」つまり、相手を信じて、勇気を持って弱みをだせば、さらなる信頼関係が生まれという考えかたです。
今回のブレネー・ブラウンの話は、TEDや著書の話の方が、日本人にとっては判り易いかもしれません。この思考のありかたが、何故、信頼関係を醸成するのかは、今回話題になっている神経科学の視点からも有効ですが、他のレポートで述べたいと思います。